第66回ベルリン国際映画祭

〜人道的でAngelがいると言われるBerlinale〜

ドイツ•ベルリンで開催されるベルリナーレはカンヌ、ヴェネチアと並ぶヨーロッパ3大国際映画祭。毎年大物監督や俳優が勢揃いして新作のアピールをする。今年は2/11~21日に開催された。

ポツダム広場全体が豪華な映画祭会場

ベルリン市内のポツダム広場に出ると映画祭の看板があちこちに見られる。迷子になりそうなぐらい映画館の数も多い。メイン会場のBerlinale Palastでは毎日レッドカーペットがあり、会場に到着する俳優を一目見ようとファンと警備員が随時待機している。カメラマンはフォトコールへ、記者はプレス•コンフェレンスへ、ファンはレッドカーペットへというように全て効率よく分けているのもドイツらしい。

ファン必見の豪華なレッドカーペット

キャーという歓声が起こり、ファンの待つレッドカーペットに映画関係者の車が次々と到着した。一番目の車から出てきたのは映画祭ディレクターのDieter Kosslick (ディーター・コスリック)氏。彼は2001年から15年間、映画祭の責任者でいつも一番にやってきてゲストを迎える。今回はチューニジアの映画『Inhebbek Hedi』の監督と出演者が登場。中でも目を引いたのが女優のRym Ben Messaoud(リム•ベン•メサウド)さん。外は零下で寒かったのに彼女は綺麗にドレスアップ、さすが女優を感じさせた。クルーメンバーが揃ったらプレミア会場に入り自分の肖像画ともいえる大きな写真にサインをする。ハリウッド映画の一番乗りはGeorge Clooney(ジョージ•クルーニー)さん。記者会見には多くのマスコミが押し寄せた。

またベルリンではEFM(ヨーロピアン•フィルム•マーケット)も同時開催される。通常これはフィルム関係者の展示会でプロデューサーたちが主に参加する。しかし近年、人気俳優も監督やプロデューサーとして参加するようになった。特にハリウッドのトップ女優が自分の手がけた作品をヨーロッパ市場へ売り込む。ベルリンは豪華なビジネス会場でもあるようだ。

ベルリナーレの締めくくりは21日の受賞式。ノミネートされるだけでも大きいこのベルリンで勝つということは世界のトップの座を意味している。少し前に発表された今年の名誉金熊賞はドイツの映画撮影監督、Michael Ballhaus(ミヒャエル•バルハウス)監督が受賞。ベルリナーレ•カメラ賞(特別功労賞)はBen Barenholtz (ベン•バーレンホルツ、USA)監督、Tim Robbins (ティム•ロビンス、USA、写真)さん、Marlies Kirchner (マーリース•カーヒェナー、ドイツ)さんの3人が受賞した。

最高賞の金熊賞はイタリアのGianfranco Rosi(ジャンフランコ・ロッシ)監督の『Fire at Sea』。銀熊賞(審査員グランプリ)はDanis Tanovic(ダニス•タノヴィッチ)監督の『Death in Sarajevo』。『Inhebbek Hedi』のMajd Mastoura(マジッド・マストゥラ)さんは銀熊賞のベストアクターにMohamed Ben Attia(モハメド・ベン・アッティア)監督は初監督作品賞をダブルで受賞した。審査員長のMeryl Streep(メリル•ストリープ)さんの笑顔と共に、第66回ベルリン国際映画祭は最後まで赤一色で華麗に幕を閉じた。


豪華なベルリナーレ会場

映画祭ディレクターのDieter Kosslick 氏

女優のRym Ben Messaoud(リム•ベン•メサウド)さん

MovieGa 素敵な映画人

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