Michael Ballhaus 監督

偉大なるカメラマン監督

Michael Ballhaus(ミヒャエル•バルハウス)監督は50年以上カメラに携わっているドイツ出身の映画撮影監督。70年代にドイツのRainer Werner Fassbender(ライナー•ヴェルナー•ファスビンダー)監督の作品に多く参加したことで有名。この度第66回ベルリン国際映画祭で名誉金熊賞を受賞した。2007年にはBavarian映画賞世界的貢献賞も受賞し、米アカデミー賞には3度ノミネートされている。

ドイツのTVのアシスタント•カメラマンから始まった職歴。1968年に監督デビューした後、ファスビンダー監督の映画17本に参加。1982年にドイツ映画でハリウッドに行き、John Sayles(ジョン•セイルズ)監督と出会う。その後、Martin Scorsese(マーティン•スコセッシ)監督、Francis Ford Coppola(フランシス•フォード•コッポラ)監督などの映画に貢献する。代表作に"The Fabulous Baker Boys"や "Gangs of New York"などがある。現在も映画を撮影したり、プロデュースし、教壇にも立つという。

これまで手掛けた作品が130以上というバルハウス監督。彼のトレードマークは360度回る撮影法。俳優の周りをぐるっと一回りしながら映す技法をハリウッド映画にも持ち込んだ彼。カメラの撮影監督というのは監督の無理難題も引き受ける。4夜のうちに150シーンを撮った時は、監督を感激のあまり泣かせたんだと照れながら秘話を披露してくれた。バルハウス監督はロス•アンジェルスで個人の賞を受賞した"Goodfellas"(『グッドフェラス』)のキッチンから主人公を追うシーンがお気に入りだと語った。

これまで米アカデミー賞にも3度ノミネートされているが、裏方が多かった監督。手がけた作品のリストを見ると私たちにも馴染みのある映画が多いが、これまで彼の名前を知っている人は少なかったはずだ。50年という長いカメラの貢献歴で今回初めて世界に大きく認められた監督を心から祝福したい。

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