野辺ハヤト 監督

野辺ハヤト監督

人生について静かに感じられる短編映画

『Affordance』とは環境が動物に対して与える『意味』のことで、アメリカのジェームス•ギブソンという知覚心理学者による造語だと説明してくれた野辺ハヤト監督。今回のショート•アニメーションの中でも静かでひときわ目立った作品だ。2年半もかかった2作目のショートでいきなりバンクーバー国際映画祭に招待された。人生の中で生まれ変わって同じ生き物がどう変化していくかという様子をらせん状で上がっていく形で描いたアニメで、それが負の方向かプラスの方向に行くのか、それはその人次第で、物とか環境が人に与える影響もうながしている。人間は普段から無意識な判断で体をすぼめたりくぐったりすることがあると監督は続ける。自分の人生の中で無意識に判断してしまうことが何に繋がるか、またそれを把握していかないとプラスの飛躍に転じられないことがあると丁寧に説明してくれながら、「あ、何か難しいこといってごめんなさい」と優しく照れながら笑った。静かなアニメも歌声も監督自身のオリジナル。次作について今は考えられないがこれからも確実にやり続けていきたいという確かな自信をのぞかせていた。

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